ベアリング(直線運動機器)についてQ&Aでやさしく解説します ベアリング入門 出題と解答:日本ベアリング

Q5

直線運動機器(リニアシステム)の
寿命は、いつですか?

A5

フレーキングが最初に発生するまでの総走行距離を、直線運動機器(リニアシステム)の寿命といいます。

フレーキングとは、転動体や軌道面に発生する《うろこ状》の損傷のことです。
直線運動機器(リニアシステム)は、荷重を受けて直線往復運動をします。その際、転動体や軌道面には、常に力が加わり続けています。
その結果、長時間使い続けると、材料が疲れてフレーキングが現れます。
従って、フレーキングが発生した時点が、直線運動機器(リニアシステム)の寿命であると考えます。

フレーキングは、使用による材料の疲れによって現れますので、製造後の経過年数では発生時期を予測できません。そのため、フレーキングが最初に発生するまでの総走行距離を、直線運動機器(リニアシステム)の寿命としています。
フレーキングのほかに、焼き付き・割れ・錆などの原因によって、直線運動機器(リニアシステム)が使用できなくなる場合がありますが、これらは取付精度や環境などの問題であるため、寿命とは区別しています。

では、寿命となる総走行距離の算出方法をみていきます。
直線運動機器(リニアシステム)は、同時に製作された製品でも、同じ条件で運転した製品でも、材料の疲れに、ばらつきが多い性質があります。
そこで、個別の寿命を予測するのではなく、統計的に定められた定格寿命を使用します。
定格寿命は、『一群の同じリニアシステムを同一条件で個々に走行させたとき、そのうちの90%のリニアシステムがフレーキングを起こすことなく到達できる走行距離』と定義されています。

実際の寿命計算では、転動体の種類によって計算式が変わります。
更に、作用する荷重も算出に関係しますので、製品ごとに細かく係数や計算方法が異なります。
詳細は、製品ガイドをご覧いただくか、弊社までお問合せください。