ベアリング(直線運動機器)についてQ&Aでやさしく解説します ベアリング入門 出題と解答:日本ベアリング

基礎編

メカニズム・雑学編

Q3

転動体にはどのような種類がありますか?

A3

大別すると、ボール(鋼球)とローラーがあります。
更にローラーは、形によって種類が分かれます。

形状は大きく分けて、ボール(鋼球)とローラーがあります。

●ボール(鋼球):製品により、サイズや材質によって、更に種類が分かれます。

●ローラー:さまざまな形があり、サイズや材質も製品によって、複数あります。

◎ニードルローラー:名前の通り、小径のローラーです。
 高い剛性を持っています。EXRAILに使用されています。

◎スタッドローラー:周りに鋲がついたローラーです。
 ローラーを案内する軌道台には、鋲を受ける溝がついており、
 ローラーと軌道台のスリップを防止します。
 スリップ防止機能により、あらゆる姿勢で使用することが可能です。
 スライドウェイNV形スタッドローラーシステムに使用されています。

SPLFS形(有限ストローク形)

◎クロスローラー(曲線ローラーケージ):
曲線軌道台の中でもスムーズに動くことができる形状のローラーです。
通常のローラーと異なり、同じ向きにローラーを並べず交互に向きを変えて配置します。
ゴニオウェイに使用されています。

SPLFS形(有限ストローク形)

Q4

トライボロジーとは何ですか?

A4

摩擦、摩耗、潤滑に関わる学問領域のことです。

トライボロジー(tribology)という言葉は、ギリシャ語のtribos と、英語の接尾語 -logyを組み合わせた造語です。
tribosの意味は「擦る・摩擦する」、-logyは「~論・~学」などを意味しています。

トライボロジーという言葉は、1966年にイギリスで発表された報告書に登場したことで、広く世の中に知られることとなりました。
この言葉が登場してまだ100年も経っていませんが、トライボロジーが示す学問の領域は、古代から研究されていたと想像できます。

エジプトのピラミッド建設や日本の古墳など、巨大建造物を作る際、資材の運搬などで摩擦をいかに軽減できるかが重要だったことでしょう。
現在ではスポーツであるスキーやスケートは、雪や氷に覆われた寒い地域では、かなり古くから生活のために利用されていました。スキーやスケートでも、トライボロジーは重要です。

今では、さまざまな分野・場面で、トライボロジーが重要視されています。
特に、「ものづくり」と「トライボロジー」の関係は密接です。
トライボロジーに関連する科学と技術によって、機械部品の低摩擦や低摩耗、損傷の低減を実現します。
摩擦をコントロールするベアリングも、そのひとつです。
これらは、世の中の省エネルギーや省資源に貢献しています。