潤滑には転動体間の摩擦や転動体と転送面の間の摩擦を小さくして焼き付けを防止し、構成部品の磨耗を減らすと同時に、表面に油膜を形成し て錆の発生を防ぐなどの目的があります。リニアシステムの性能を発揮させるには使用条件に合わせた潤滑方法を決定し、最適な潤滑剤を選定する必要がありま す。潤滑方法には油潤滑とグリース潤滑があり、油潤滑にはタービン油ISO規格VG32~68、グリース潤滑の場合にはリチウム石けん基グリース2号を 推奨します。スライドブッシュなどは、潤滑剤に影響の少ない性質の防錆油が塗布されているのみです。潤滑剤を塗布した後にご使用ください。またスライドガ イドのように転送溝を持つ形状のものには、グリースが充填してありますので、そのまま使用できます。その後は、使用条件や環境などによって適時補給してく ださい。通常の使用条件の場合の給脂間隔は、6ヶ月又は1,000km程度を推奨します。
NBでは次のグリースを用意しておりますので使用条件に合せてご使用ください。
KGLAグリース(リチウム系低発塵グリース)
KGLAグリースはリチウム系の増ちょう剤を使用した低発塵性にきわめて優れたグリースでクリーンルーム内での使用に最適です。
KGUグリース(ウレア系低発塵グリース)
KGUグリースはウレア系の増ちょう剤を使用したグリースです。低発塵性に優れているとともに低速時の動摩擦抵抗値が小さいことを特長としています。
項目 | グリース名 | |
KGLAグリース | KGUグリース | |
外観 | 白黄色バター状 | 淡褐色 |
---|---|---|
基油 | オレフィン系合成油 | 合成油 |
基油動粘度(平方mm2/s 40℃) | 25 | 100 |
増ちょう剤 | リチウム石けん | ウレア |
混和ちょう度 | 260 | 248 |
滴点(℃) | 195 | 280以上 |
銅板腐食(100℃、24h) | 合格 | 合格 |
蒸発量(mass%) | 0.3 | 0.09(99℃ 22h) |
離油度(mass% 100℃、24h) | 4.6 | 0.5 |
酸化安定度(MPa 99℃、100h) | 0.025 | 0.015 |
軸受防錆(52℃、48h) | 合格 | 合格 |
使用温度範囲(℃) | -40~120 | -30~160 |
グリースに関する各種データは、こちらのPDFをご参照ください。
NBリニアシステムについて、精密部品としての精度を保ち、安全にご使用いただけますよう以下の項目にご注意ください。
取扱いの注意
使用上の注意
寿命検討における注意点